さとやまで開催されたイベントの報告(2019年4月〜2020年3月)です。2017年3月以前はこちら
冬の生き物観察:野鳥Ⅱ(参加28名)
観察コース:市野谷の森~市野谷水鳥の池
午前中にもかかわらず気温は15℃近くもあり、この時期とは思えない暖かさでした。
開始早々、おおたかの森小・中学校上空でオオタカ(成鳥)の飛ぶ姿が観られ、幸先の良いスタートを切りました。
ポカポカの陽気に誘われたかのように、森の中ではウグイスがさえずっていました。暖冬のせいか例年よりも早い歌い出しで、2月下旬に聞いた方もいたようです。
(その他確認種:コゲラ、シジュウカラ、メジロ、ジョウビタキ♂、カワラヒワ、アオジなど)
水鳥の池では、マガモ、ハシビロガモ、コガモ、バン、オオバンなどが観られましたが、既に北へ旅立ってしまったのか、カモ類の姿はあまり多くありませんでした。終盤には、昨年12月の観察会でも見られた、キジ(♂♀)が今回も我々の前に堂々と姿を現してくれました。
(その他確認種:オカヨシガモ、カルガモ、カワセミ、モズ、ツグミ、ホオジロなど)
今回の確認野鳥種数:28種類
市野谷の森での観察
水鳥の池での観察
オオタカ(♀と思われる)
モズ♂
メジロ(クヌギの樹液を舐めている?)
バン・オオバンなど
コガモ・カルガモなど
(よく見ると甲羅干しているアカミミガメもいます)
キジ♂(ムクドリたちと一緒に食事中)
森の手入れ(参加19名)
当会では、市野谷の森で活動を始めて以来、定期的に下草刈りを行い、昔の農家によって管理された明るい雑木林を再現しようとしています。低木や下草を刈ることにより林床に光が入り、昔の雑木林によく見られたキンラン、ギンラン、ジュウニヒトエなどの草花が復活してきました。今回、実施した森の手入れでは、西広場の下草刈りと林縁のゴミ拾いを行いました。お子さんも4名参加してくれていましたので、ケガをすることのないよう、親だけでなく周囲の人も注意します。天気も良かったので、ちょっと汗をかくくらいの適度な運動になりました。最後に林縁のゴミ拾いも行いました。数ヶ月前から「ごみ捨て禁止」の看板を数ヶ所に立てましたが、残念ながらあまり効果はないようです。むしろ、いつも看板の横にゴミが捨てられるようになりましたが、これは誰かが意図的に嫌がらせをしているのか、それとも周辺住民の方が善意で道沿いのゴミを拾って看板の横に集めてくれているのか、どちらなのでしょうか・・・ご参加いただいた皆様、お疲れさまでした。
冬の生き物観察:野鳥Ⅰ(参加41名)
冬季恒例の野鳥観察会、40名以上と多くの方にご参加いただけました。市野谷の森で森の野鳥を観察した後、市野谷水鳥の池で水鳥を観察する冬季おなじみのコースです。森に着いて早々、上空を飛ぶハイタカ(市野谷では珍しい!)※を会員のスーパー小学生・K君が撮影してくれました。森の中ではシロハラやウグイスなどの鳴き声がよく聞こえるものの、薄暗いヤブを好む彼らはなかなか姿を見せてくれません。大カシ(シラカシ)の樹上ではたくさんのメジロたちでにぎわっていましたが、常緑樹なのでこれまた姿はあまり見えず・・・その時、森の上空をゆったりと舞うオオタカの姿が!突然のオオタカの登場に歓声があがりました。水鳥の池では、キジ・ヒドリガモ・カルガモ・ハシビロガモ・コガモ・カワウ・アオサギ・オオバン・カワセミ(声のみ)・ツグミなどが観察できました。カモ類の多くは水面には出ておらず、枯れて倒れたガマやヨシの上でぐっすり(?)寝ていました。K君の目撃談ではベニマシコ(♂)やオオジュリンも一瞬だけ見られたようでした。次回、3月1日の野鳥観察会でも見られるか?期待が高まります。(確認鳥類:35種)
※観察会ではツミと紹介してしまいましたが、後に写真を確認したところ、ハイタカであったことが分かりました。大変失礼いたしました。
森で見られる小鳥について解説する辻理事
空を舞うオオタカを観察
水鳥の観察
ハイタカ(若鳥)
オオタカ(成鳥)
キジ(左1羽♂・右2羽♀)
カルガモ
コガモ(どこにいるかわかりますか?)
カワウ(若鳥)
ツグミ
ジャパン・バード・フェスティバル2019
毎年恒例のジャパン・バード・フェスティバルに今年もNPOさとやまブースを出展しました。今年の展示物は「オオタカの疑似繁殖行動」。オオタカは繁殖期を迎えた後も本来の巣や以前の古巣へ戻ったりと、営巣地をどこにするか迷った挙句、産卵期(4月)を過ぎてしまいました。5月になってもなお巣材を運び込んで巣の整備を続けましたが、結局、繁殖には至りませんでした。さとやまブースには自然保護に関心がある人など、たくさんの人が訪れました。子ども向けのA4ファイルボックスに鳥の絵を描くコーナーも人気でした。
オオタカの疑似繁殖行動について
昨年の展示も併せて紹介
流山市内で撮影した生き物写真を展示
展示物の解説
毎年好評の鳥の塗り絵バッグづくり
毎年好評の鳥の塗り絵バッグづくり
秋のいきもの観察:トンボ(参加23名)
時折、霧雨が舞うような秋の利根運河沿いを歩きながら、トンボを観察しました。トンボ研究家でもある講師の田中利勝さんは子どもたちに網の振り方や、アキアカネ・ナツアカネ・ノシメトンボなどの見分け方を教えてくれました。産卵の仕方も色々あり、水面に産むものや空中で卵を振りまくように産むものなど様々。子どもたちは、おもいっきり網を振るってトンボをつかまえ、オス・メスの身体の色の違いなどを観察しました。
田中さんによるトンボの解説
捕まえたトンボの観察
捕まえたトンボを観察
ノシメトンボ(翅の先端が褐色)
アキアカネ
ナツアカネ
ウラナミシジミ
利根運河にたたずむダイサギ
出張出前授業 in おおたかの森小学校
市野谷の森に隣接する、おおたかの森小学校の5年生を市野谷の森に案内しました。(200人を超すため2回に分けて案内)。東広場に行き、少しの時間、個々に歩き回ってもらいました。この森に初めて入った子供たちが多く、不思議な形の虫※やキノコにびっくりして声を上げていました。それから「市野谷の森とオオタカ」についてお話ししました。(30年前の市野谷の森と今の移り変わり・森が乾燥化してきていること・森が小さくなってしまったことの問題点・オオタカについて など)。市野谷の森に子供たちが少しでも関心を持ってくれたら嬉しいです。※正体:ザトウムシの一種
夏のいきもの観察Ⅴ:草はらの昆虫(参加50名)
協力:里山ボランティア流山
大畔の森は、林・草はら・水辺などの多様な自然環境が残っている里山です。自然観察指導員である講師の渋谷孝子さんから里山の話を聞いた後、一斉に昆虫探し!草むらには、オンブバッタやショウリョウバッタなどが沢山いて、その上をオニヤンマや黒いアゲハ(クロアゲハ・ナガサキアゲハ)が飛んでいきます。子どもたちは夢中になって捕虫網を振るい、懸命に追いかけます。捕った昆虫を見せ合ったり、名前を教えてもらったり、ルーペでよ~く観察した後は、元いた場所に逃がしてあげました。
みられた生き物:
オオカマキリ・コカマキリ・アオドウガネ・ヤマトシリアゲ・タケカレハ(幼虫)・ウスバキトンボ・シオカラトンボ・クサキリ・エンマコオロギ・クルマバッタモドキ・コバネイナゴ・ツチイナゴ(幼虫)・トノサマバッタ・ジョロウグモ・ウスカワマイマイ・アメリカザリガニ など
渋谷さんによる"里山"のお話
渋谷さんによる"里山"のお話
草はらでの昆虫探し
捕まえた昆虫の観察と説明
オニヤンマをじっくりと観察
ミドリヒョウモン
夏のいきもの観察Ⅳ:ライトトラップ(参加58名)
8月の恒例イベントとなったライトトラップ(灯火採集)は今年も大盛況。おおたかの森センター前に集合し、そこからライトトラップの設置してある会場(森の中)に向けて出発します。※みんなが会場に集まる約30分前にライト点灯を開始しています。
子供たち:「まだ着かないのー?」「(ライトトラップは)どこにあるのー?」 リーダー:「もう少しだよー」
そんな言葉のキャッチボールをしながら真っ暗な森の中を歩き、会場に到着するともう既に何十種類もの昆虫が集まっていました。市野谷のライトトラップではおなじみとなった、光沢のある緑色の体が特徴的なアオドウガネとアカアシオオアオカミキリがやはり目を惹きました。さらにカブトムシ、ノコギリクワガタ、コクワガタの登場でより一層の盛り上がりを見せました。「触りたい!」と子供たち。さすがの人気です。今年は全体的に体が通常よりも一回り小さい個体が多かったことが気になりました(日照不足が原因?)が、昨年とほぼ同じくらいの種類数を観ることができました。
その他確認種:ウスバカミキリ・ノコギリカミキリの一種・コフキコガネ・コメツキムシ類・ガガンボ類・ニイニイゼミ・ヒグラシ・ヤブキリ・ウラナミシジミ・イラガ・クロモンドクガ・ナナフシ・などほか多数
ライトトラップに集まる昆虫を観察
カブトムシ(メス)
ノコギリクワガタ(オス)
アカアシオオアオカミキリ
夏のいきもの観察Ⅲ:夜の森を舞うホタル(参加48名)
天候の関係で一週間延期しての実施となりました。今年は気温の低い日が多かったせいか、例年よりもセミ・ホタルの発生が遅れ気味でしたが、ここ数日の間に気温がぐんと上がり、たくさんのホタルが出現していました(およそ50匹程度)。「あっちにも、こっちにもいるよ」と子どもたちも大喜び(^o^)。セミの数は少なめでしたが、羽化直前と羽化している最中のヒグラシをじっくりと観察することが出来ました。「すごい!」「こんなの初めて見た」 初めてご覧になる方も多く、とても感激されていました。その他に、木の枝に擬態している「ナナフシ」や最大で7㎝ほどにもなる「オオゲジ」など、夜の森ならではの生き物にも遭遇しました。
ヒグラシの羽化を観察
ナナフシの観察
羽化最中のヒグラシ
通路の杭のロープに擬態(?)するナナフシ
夏のいきもの観察Ⅰ:初夏のチョウと森の昆虫(参加62名)
川北裕之 先生(高校の生物の先生)を講師に、市野谷の森で昆虫を観察しました。まずは林縁でチョウを探すも、本曇りで数が少なく、ルリシジミがちらほら・・・しかし、森の中に入ると子どもたちは次々と色々な昆虫に出会いました。大きな毛虫”マイマイガ(幼虫)”はインパクト大です。森の広場では30分間の“虫探しタイム”。子どもたちは落ち葉の下や木の幹をじっくりと見回っていました。その結果、カシワマイマイ(幼虫)、カマキリ類(幼虫)、キマダラミヤマカミキリ、キマワリ、集団でいるチャタテムシ(幼虫)の一種、ナナフシ(幼虫)、ヒカゲチョウ(幼虫)、ヤハズカミキリ、オトシブミの卵が入っている葉っぱ(”俵”)などを見つけてくれました。川北先生も「すごいねぇ」とビックリ。また、前日に設置していた”ピットフォールトラップ”(コップを土に埋めて落とし穴とする)を覗いてみると、オオヒラタシデムシ、センチコガネ、ハネカクシの一種、ダンゴムシの一種、イシムカデの一種(イッスンムカデと推定)などが入っていました。
解説をされる川北先生
ピットフォールトラップで採取した昆虫を観察
トラップで採取されたオオヒラタシデムシ
チャタテムシの一種(幼虫)
マイマイガの幼虫(毒はない)
クチバスズメ
さとやま観察会:野鳥Ⅲ(参加34名)
日差しが強く、暑く感じられる好天の中、30名以上の参加者が初石公民館に集まりました。今回は、西初石小鳥の森→コミュニティプラザ→大畔→市野谷の森を歩きました。5月は野鳥にとって繁殖の季節・・・所々でさえずりが聞こえたり、巣作りに励んだりする姿が見られます。その一方で、最後まで残っている冬鳥がいたり、夏鳥が渡ってきたりと、入れ替わりの激しい渡りの季節でもあります。西初石小鳥の森では残念ながら野鳥の姿はあまり見聞き出来ませんでしたが、ニホンアカガエルやみごろをむかえたキンランを観ることができました。大畔の斜面林の奥からは美しいさえずりが聞こえてきました。渡り途中に平地の林に立ち寄る"キビタキ"です。頑張って姿を探しましたが見つかりませんでした。市野谷の森の中でも、さえずりが聞こえるものの、新緑の木々に阻まれ、ここでもやはり姿を見つけることはできませんでした。この他に、スズメのヒナの声(電柱トランス箱内で繁殖)やヒバリのさえずり飛翔など、この時期ならではの姿も観られました。大カシのところで観察会は一旦終了、ここまでの間に21種類の野鳥が確認できました。終了後、おおたかの森駅方面に帰る途中で市野谷水鳥の池に立ち寄りました。ここでは、キジ、コガモ、カイツブリ、バン、イワツバメ、イソヒヨドリ(♂)など、森の中では観られなかった野鳥たちに出会えました。
西初石小鳥の森
大畔
キンラン
二ホンアカガエル
シジュウカラ
ハクセキレイ
ツバメ
キジ(オス)
2019流山グリーンフェスティバル
毎年5月4日(みどりの日)に流山おおたかの森駅前で開催される"流山グリーンフェスティバル"で、流山市内のオオタカについての解説、市内で撮影した生き物たちの写真パネルを展示しました。さとやまのブースを見ていただいた多くの方が、すぐ近くの市野谷の森にオオタカやノウサギ、タヌキなど、多様な生き物たちが生息していることに驚いていました。
キッズ★フェスタ
おおたかの森センターで第4回のキッズ★フェスタが開催されました。今年もたくさんの子供たちが参加し、スポーツ吹き矢や輪投げ、なりきりフォトなど、いろいろな遊びを満喫していました。NPOさとやまは、流山のオオタカの生態についての展示の他、おおたかの森クイズやオオタカ紙芝居を催して、子供たちだけでなくお父さんやお母さんに市野谷の森のオオタカについて知っていただく機会になりました。
さとやま観察会:樹木医と歩く春の森(参加42名)
良く晴れた暖かい日になり、40名以上の参加者が集まりました。初石公民館から初石6号公園、西初石小鳥の森、コミュニティプラザ、大畔、市野谷の森を歩き、樹木医の資格を持つ本澤賢一氏に樹木の解説をしていただきました。大畔は流山市で最後の農村風景が広がる場所で、30年前と同じ農家の屋敷林と雑木林が広がっていますが、2年後には小学校と中学校が建てられることが決まっており、この農村風景は見られなくなってしまいます。最後は市野谷の森のシンボルとなっているシラカシ(通称:大カシ)の根本に肥料を詰めた竹筒を埋める保全作業を行いました。このシラカシは樹齢100年を超えると思われ、この森のシンボルとしてふさわしい樹木ですが、周囲が通路となってしまったことにより土が踏み固められ、樹勢の減退が心配されています。作業の途中でオオタカが頭上に出現しました。上空をゆっくりと旋回し、私たちの作業を見守ってくれているようでした。
ソメイヨシノが見ごろの初石6号公園
西初石小鳥の森
大畔の農村風景
肥料を詰めた竹筒
"大カシ"の根本に竹筒を埋める作業
市野谷の森上空を舞うオオタカ