さとやまで開催されたイベントの報告(2020年7月〜2020年12月)です。2020年3月以前はこちら
冬の生き物観察 野鳥①(参加49名)
12月恒例の野鳥観察会、今年も市野谷の森→市野谷水鳥の池コースで冬の野鳥を観察しました。森内の広場で、リーダーの辻 理事が冬の森で見られる野鳥を、写真&鳴き声の音声データを使って解説。その後、笹薮や樹上に双眼鏡を向けて野鳥を探しますが、残念ながら今回はあまり姿が観られませんでした。(一週間前の下見ではトラツグミが確認されていました。)
しかし、コゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ツグミ、ルリビタキなど、色々な小鳥の鳴き声が聞かれました。
水鳥の池では、様々な種類のカモが観られますが、今回はオカヨシガモ2羽(♂♀)、カルガモ1羽、コガモ3羽と例年に比べ、とても少ない結果でした。しかし、カモ類は少なかったものの、獲物を狙うカワセミと休息中のタシギをじっくりと観察することができました。同池でカワセミはよく見聞きされますが、タシギは草の中で保護色となってしまうので、動いてくれないとなかなか見つけられません。
※今回の確認野鳥種数:29種
市野谷の森で冬鳥の解説をする辻 理事
水鳥の池での観察
ハクセキレイ(市野谷の森近くの畑)
オオバン(水鳥の池)
ダイサギ(水鳥の池)
アオサギ(水鳥の池)
コガモ(水鳥の池)
オカヨシガモ(手前オス・奥メス)
カワセミ(水鳥の池)
タシギ(水鳥の池)
秋の生きもの観察②クモ(参加28名)
森の周囲を歩きながら、講師の浅間 茂 先生が見つけたクモの解説をします。ジョロウグモの網はとても強く柔軟で、まだ人工的に同じものを作ることが出来ません。シロカネイソウロウグモはジョロウグモの網に”居候”しています。オオヒメグモは釣り糸を垂らして餌を捕っています。原っぱに移動して、大人も子供もクモを採取しました。アリにそっくりなアリグモ、ゴミみたいに見えるゴミグモ、腹部に”卵のう”をくっつけたウヅキコモリグモ、セイタカアワダチソウの花の中に隠れているハナグモなど、クモの仲間は個性の強い種類ばかりです。子供たちも夢中でクモを探して24種類のクモが見つかりました。
その他の観られたクモ:オオシロカネグモ、カタハリウズグモ、ナガコガネグモ、ワキグロサツマノミダマシ、サガオニグモ、ハラクロコモリグモ、ネコハグモ、ヤミイロカニグモ、ネコハエトリなど
クモの解説をする浅間 先生
採取したクモを観察
浅間 先生による採取したクモの解説
ジョロウグモ
ゴミグモ
ハナグモ
シロカネイソウロウグモ
ヤミイロカニグモ
秋の生きもの観察①トンボ(参加34名)
パラっと小雨が落ちてきたものの、徐々に空が明るくなり、運河の岸辺を赤トンボが飛び回っています。講師は自然通信社主宰の田中利勝 氏。この時期に見られる代表的な赤トンボ3種(アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボ)の見分け方を教わった後、捕虫網を手に出発。すると、すぐにハグロトンボが川面の藻に産卵しているのを発見しました。ほかにも、網で捕まえたアオモンイトトンボをみんなに見せてくれた子もいました。オスの尾の先端近くに鮮やかな水色の紋があるイトトンボで、その色の鮮やかさに魅入ってしまいます。そのあとは、赤トンボを次々と網で捕まえては「何トンボ?」と確認する作業が続きました。コロナ禍の秋ながら、網を持って走りまわる子どもたちは元気そのもの。運河脇の公園から新川耕地へ出て、シオカラトンボなどを観察し、におどり公園で解散しました。
見られたトンボ:アオモンイトトンボ・アキアカネ・シオカラトンボ・ナツアカネ・ノシメトンボ・ハグロトンボ
田中利勝さん(中央)によるトンボの解説
田中利勝さんによるトンボの解説
利根運河沿いでトンボ探し
におどり公園にて
ナツアカネ
アキアカネ
ノシメトンボ
ハグロトンボ(上オス、下メス)
夏の生きもの観察③ライトトラップ(参加26名)
新型コロナウイルス感染防止のため、事前申込制で人数を制限して実施しました。普段は森の中※で行っていますが、今回は3密及びマスク熱中症対策のため、風通しが良くて広いスペースが確保出来る森の外で行いました。森の外ということもあり、風が強くて湿度も低く、月の影響で周囲も明るかったので、残念ながら昆虫の種類はいつもより少なめでした。しかし、しばらくすると複数のアオドウガネが飛来。その他にも、ドウガネブイブイやコフキコガネなど数種類のコガネムシ類、トウキョウヒメハンミョウ、ナミテントウ、ナシイラガ、アオバハゴロモ、チャバネアオカメムシなどがやってきました。トラップ周辺に生えているイヌシデやコナラの樹では、コクワガタ、オオクチキムシ、ゴマフボクトウ、クロモンドクガ、シロモンノメイガ、ナナフシなど、色々な昆虫を観察することも出来ました。
※特に無風で湿度が高く、月の出ていない時がベスト(人にとっては不快ですが)
ライトトラップの様子
ライトトラップの様子
トラップに飛来した昆虫を観察
アオドウガネ
コフキコガネ
ナシイラガ
コクワガタ
クロモンドクガ(無毒)
シロモンノメイガ
ゴマフボクトウ
夏の生きもの観察②夜の森を舞うホタル(参加18名)
新型コロナウイルス感染対策のため、申込制にして人数を限定したので、今回は少人数で実施しました。5歳前後の小さいお子さんたちと親御さんが空模様を気にしながら19:00に初石公民館前に集まり、西初石小鳥の森へ向けて出発しました。雨に濡れた坂道に注意しながら観察場所の池のほとりへ着き、懐中電灯を消してジッと目を凝らすのですが、ホタル(ヘイケボタル)がなかなか光りません。低く垂れこめた雲が街の明かりを反射してか、いつになく森の中が薄明るいのです。「今日は条件が悪いなぁ・・・」とつぶやくうちに、1つ、また1つと池の向こう岸に光が点滅しはじめました。「よかったぁ!」と思いきや、突然雨も降り出してしまいしたが、20匹程度のヘイケボタルを観察することが出来ました。(20:00頃に現地解散)。
その他見聞きできた昆虫:ニイニイゼミ(抜殻・声)、ヒグラシ(羽化前)、アオバハゴロモ(幼虫)、ヨツボシモンシデムシ、ノコギリカミキリ属の一種、ハヤシノウマオイ(声)、ナナフシ など
初石公民館に集合
西初石小鳥の森入口
森の中でヘイケボタルを観察
羽化前のヒグラシ
ナナフシ
ヨツボシモンシデムシ
夏の生きもの観察①田んぼの生き物(参加21名)
毎年恒例の田んぼの生き物観察会ですが、今年は新型コロナウィルス感染予防のため、参加者数を限定し、マスク着用などの対策を講じた上で開催しました。梅雨時ながら薄日が差す天候で、青々と広がる稲田の間を巡って小さな水路に網を入れていくと、ギンブナの幼魚やメダカ(ミナミメダカ)、スジエビ、ヌマエビ類、タニシ類などがたくさん捕れました。講師の田中利勝 先生によると、ここの田んぼは、昔ながらの土の水路なので水生動物が多く、これほど自然度の高い田んぼは、今は少ないとのことです。みんなが田んぼで捕った生き物を会場のクリーンセンターに持ち帰り、種名や見分け方などについて詳しく教えてもらいました。
※捕まえた生き物は観察会終了後、元の場所に逃がしています。
見られた水生生物:コイ、ギンブナ、モツゴ、ドジョウ、ナマズ、ミナミメダカ、ヨシノボリ類(トウヨシノボリと推定)、カムルチー、ヌマガエル、タニシ類(ヒメタニシと推定)、スジエビ、ヌマエビ類、アメリカザリガニなど
生き物の探し方と捕り方のコツを教えてくれる田中先生
みんなで田んぼの生き物探し
水路に残された全長約60㎝のコイに大盛り上がり!
田中先生による生き物の解説
みんなで採取した生き物をじっくり観察
ナマズのこども(3匹)
採取した水生生物①
採取した水生生物②