さとやまで開催されたイベントの報告(2023年4月〜2024年3月)です。2022年3月以前はこちら
東近隣公園オープン記念講座「市野谷の森の歴史・オオタカの今」(参加72名)
市野谷の森の一部(約3ha)が3月8日(金)に「東近隣公園」としてオープンしたのを記念して、流山市おおたかの森センターで講座を開きました。まず、当会の岡田理事長が市野谷の森の保全の歴史やNPOさとやまの活動について説明しました。
流山市立博物館次長の北澤 滋 氏による「市野谷の森~開墾と開発のあゆみ~」では、市野谷の森周辺がこれまでどう変化してきたのかを現代から縄文期にまで遡り、写真や古地図、発掘出土品などによって検証し、解説していただきました。つくばエクスプレス開通に伴って開発され、大きく変貌した平成・令和期。しかし、半世紀前の1961年の航空写真では森周辺には人家があまりなく、その頃の地図では「新田」と名の付く地名が多く、水田開発が進んでいたようです。さらに明治13年に遡ると周辺は松林ばかり。江戸時代の地図によると日光東往還(旧日光街道)が通ってはいたものの、人家はほとんどなく、幕府の馬の放牧地が広がっていました。しかし、縄文~古墳時代には、現在と同様にかなりの人が住んでいたことが発掘調査で分かっています。未来の市野谷の森周辺の環境は、市民の皆さんがどうしたいかにかかっています。
そして、流山のオオタカを守る会代表の紺野 竹夫 氏による「市野谷の森~オオタカ見守り32年~」では、1992年に市野谷の森でオオタカが繁殖していることを紺野さんらが見つけてから始まった保護活動と森の保全について、その後の取り組みを新聞記事などの資料で振り返っていただきました。1993年に「流山自然観察の森を実現させる会」が発足。’94年にオオタカのヒナ3羽が密漁され監視活動を始める。’96年に県立公園として保全することが決まったが、整備が進まないことから、2015年に公園の早期実現を求める15,365人分の署名を県へ提出。この間、オオタカは全国での生息数が増えていたことから、2006年に環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類(VU)から準絶滅危惧(NT)にランク下げになり、さらに2017年には国内希少野生動植物種(種の保存法)からも外されました。一方、流山市では2018年にオオタカが“市の鳥”に制定され、現在は市独自の保護指針をつくるべく、市へ要請を続けています。市野谷の森でのオオタカ繁殖はこのところ順調で、一昨年は3羽、昨年は2羽が巣立ちましたが、オオタカの餌場の一つである新川耕地が物流施設建設などで開発されているため、オオタカが生きていける自然環境の保全に取り組んでいかなければなりません。
講座後は希望された方々を対象に、オープンしたばかりの東近隣公園へご案内しました。
岡田理事長による森の保全の歴史などの話
北澤 氏の講演「市野谷の森~開墾と開発のあゆみ~」
紺野 氏の講演「市野谷の森~オオタカ見守り32年~」
講座の様子
東近隣公園の現地観察①
東近隣公園の現地観察②
冬の生き物観察③森の越冬昆虫(参加33名)
越冬昆虫の観察会は当会としては初めでしたので、果たしてどの程度の昆虫を観察できるのかドキドキでした。最初に大カシでヨコヅナサシガメの幼虫を観察しました。幹のくぼみに幼虫がウジャウジャ集まっていて、思わず子どもたちから「キモチワルイ」の声が飛びます。森の中に入り、朽ちた倒木を少し崩してみると、ムカデやヤスデなどに混じって、越冬中の大きなヤマナメクジも出てきました。しばらく朽ち木の中を探していると「スズメバチがいた!」と、大きな声が上がります。オオスズメバチでした。さらに、コガタスズメバチも朽ち木の中に隠れていました。これらは次期女王となる個体で朽ち木の中などで越冬します。さらに森の中の広場に移動して、朽ち木の中だけでなく、倒木の下や落ち葉の下も覗いてみます。すると、「カブトムシ発見!」の歓声が!倒木の下の地面から、10cmはあろうかという大きなカブトムシの幼虫を見つけました。カブトムシは幼虫で冬を越します。朽ち木の中では、コクワガタも発見しました。コクワガタは成虫で冬を越します。予想外にたくさんの越冬生物を発見できて楽しい観察会になりました。
大カシのくぼみで越冬していた
ヨコヅナサシガメの幼虫たちを観察
朽木を少し崩してみます
朽木の中を観察
ヨコヅナサシガメ(幼虫で越冬)
オオスズメバチ(成虫で越冬)
コガタスズメバチ(成虫で越冬)
ヤマナメクジ
スモモキリガ(早春に出現するヤガ)
コクワガタ(成虫で越冬)
オオカマキリ(卵で越冬)
ウスタビガの繭(抜け殻)
カブトムシ(幼虫で越冬)
冬の生き物観察②森の冬芽(参加14名)
昨年に引き続き、樹木の冬芽を観察しました。朝方から小雨もパラつき、寒い天気でした。冬芽の観察は初めての方が多く、みなさん興味津々でした。出だしから「花になる芽と葉になる芽の違いは?」「これは裸芽(らが)ですか鱗芽(りんが)ですか?」など、たくさんの質問が飛びました。カスミザクラとソメイヨシノの冬芽は似ていますが、カスミザクラの冬芽は毛が無く、ツルっとしていて、ソメイヨシノの冬芽は短い毛が生えています。コムラサキとムラサキシキブは同じ仲間の植物ですが、コムラサキの冬芽は鱗芽で丸い小さな玉のようで、ムラサキシキブの冬芽は裸芽で先が尖っています。そのほかにも、ウワミズザクラとイヌザクラ、コナラとクヌギとクリなど、よく似た種類の樹木の冬芽を比較して観察しました。コブシの冬芽は、フサフサした毛に覆われていて毛皮のコートを被っているようですが、1枚目の冬芽の下に2枚目の冬芽と1枚の葉が隠されていて、2枚目の冬芽の下に3枚目の冬芽と1枚の葉、というように、マトリョーシカのような構造になっています。冬芽以外にも、カラスウリの実や種、スズメバチの大きな巣、サルノコシカケ、スギの年輪なども観察して、盛りだくさんの楽しい観察会になりました。
観察した冬芽:全36種
冬芽(コムラサキ)の解説をする樫リーダー①
冬芽(カツラ)の解説をする樫リーダー②
ルーペを使って冬芽(ソメイヨシノ)を観察
冬芽(エノキ)の観察
ウワミズザクラの冬芽
イヌザクラの冬芽
コナラの冬芽
クヌギの冬芽
クリの冬芽
コブシの冬芽
冬の生き物観察①冬の野鳥(参加40名)
12月恒例、市野谷水鳥の池と市野谷の森で冬鳥観察をしました。野鳥観察会としては珍しく、14名というたくさんの子どもたちが参加してくれたこともあり、とてもにぎやかでした。今回は、特別に流山市下水道建設課の許可をいただき、普段は立入ることのできない、水鳥の池内部からの観察も行いました。いつもは池を見降ろすかたちですが、今回は間近で水面を眺めることができてとても新鮮でした。この日は、水鳥たちの多くは繁みに隠れてしまっており、あまり姿を見せてくれませんでしたが、オカヨシガモ、ハシビロガモ、コガモ、カイツブリ、アオサギ、ダイサギ、オオバンなどが観られました。池周りの樹林帯や法面では、キジやツグミ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ、アオジなどを観ることができました。水鳥の池から市野谷の森へと移動する途中、おおたかの森センターで休憩を取りましたが、そのとき、突如としてハイタカが現れ、私たちの上空をゆっくりと旋回してくれました。タカ類をじっくりと見られることはなかなか珍しく、歓声が上がりました。市野谷の森では、森の中の広場で立ち止まり、主に小鳥の姿や声を観察しました。(コゲラ、アカゲラ、カケス、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、メジロなど)。森の中での観察後は大カシへと移動し、鳥合わせ(見聞きできた野鳥の確認)を行い、29種の野鳥が見聞きできたことを確認しました。
市野谷水鳥の池(50年に一度の大雨の際、
周辺に溢れる水を一時的に溜める役割を担っています。)
水鳥の池に立入っての観察①
水鳥の池に立入っての観察②
水鳥の池外周からの観察
アオサギ
ダイサギ
オオバン(一番左側の1羽)と
オカヨシガモ(お尻が黒い個体がオス)
カワラヒワ(一番左側の1羽)とホオジロ
キジ(オス)
キジ(メス)
ハイタカ(オス)
森の中で野鳥探し①
森の中で野鳥探し②
大カシ前で鳥合わせ(何種類の鳥が確認できたでしょうか?)
秋の樹木と木の実(参加26名)
今回は6名の子どもが参加してくれました。講師の小幡先生は、今年の4月に次いで2回目の登場です。まず落ちているドングリを拾って観察しました。スダジイのドングリを割って試食してみましたが、子供たちの感想は「ビミョー・・・」。イロハモミジの果実は、翼(よく)が付いており、風に乗って散布されます。先生が実演するとプロペラのようにくるくる回って、歓声が上がります。カツラの枯れ葉は甘い匂いがするというので嗅いでみると、誰かの「おじいちゃんのような匂い」という感想にどっと沸きました。ムクロジの硬い実は、“穴を開けて笛にして遊んだ”とのことで先生が実演。最初はフーフーでしたが、何度目かに“ピュルピュル”と鋭いホイッスルのような音が出ました。クサギは葉が臭いので“臭木”の名前がつきました。葉をちぎって匂いを嗅いだ子が「オナラみたいな匂い」との感想。ネズミモチの実を観察していると、「ネズミのお餅のようだからネズミモチ?」という子どもの質問に、「ネズミのウンチのようだからネズミモチ」という先生の回答に皆さん“プッ”と吹きました。そのほかに、カスミザクラ、ソメイヨシノ、ムラサキシキブ、コムラサキ、ゴンズイ、ガマズミ、クリ、ウワミズザクラ、イヌザクラ、などを観察して、充実した楽しい観察会になりました。
おおたかの森センター前で、スダジイの解説をされる小幡 先生
ムクロジ笛を吹く小幡 先生
林縁でウワミズザクラやイヌザクラを観察
ネズミモチの葉を陽にかざしてみます
※もし葉脈(側脈)が透けて見えたらトウネズミモチ
イロハモミジ(果実)
アカシデ(果実)
ムクロジ(果実)
ゴンズイ(果実)
クサギ(花と果実)
イヌシデ(果実)
シロダモ(果実)
ネズミモチ(果実)
森のクモ(参加24名)
子ども8名を含む24名の参加でクモの観察会を行いました。講師はNPO法人 自然観察大学の浅間 茂 先生で、当会の観察会は3回目です。「クモの糸は口から出すかお尻から出すかどちらでしょう?」「クモのオスとメスの見分け方はわかりますか?」など、浅間先生から矢継ぎ早に質問が出て、子どもたちが元気に答えます。一般的にクモはお尻から糸を出しますが、中には例外的に口から糸を出す種類もいるとのこと。また、クモのオスは触手の先が膨らんで生殖器になっているが、メスは膨らんでいないとのことでした。森の林縁を歩くと、ジョロウグモの巣がたくさん見つかり、アオバハゴロモやオオカマキリ、アオマツムシなどが捕まっているところを観察しました。ジョロウグモの巣に居候しているシロカネイソウロウグモも見つけました。ジョロウグモのオスは成体になると網を張れなくなり、メスの網に移動して交尾のチャンスを待っているのだそうです。そのほか、粘着性の無いモップのような束になった糸を出して獲物を絡めとるネコハグモ、松の葉のような細長い体をしたオナガグモ、子グモを腹の上に乗せて子育てをするコモリグモの仲間など、面白いクモがいろいろ観察できました。最後に、草はらでクモを捕まえて、浅間先生にクモの種類を同定してもらいました。この日は、全部で24種類のクモが見つかりました。
※見つけたクモ:コガネグモ、ナガコガネグモ、ワキグロサツマノミダマシ、ヒラタグモ、コクサグモ、ウヅキコモリグモ、ネコハエトリ、ヤハズハエトリ、アオオビハエトリ、など
ネコハグモを発見して解説する浅間 先生
(おおたかの森センター駐輪場にて)
林縁で採取したクモを観察
みんなで草はらでクモ探し
草はらで採取したクモの種類を浅間 先生に同定してもらいます
ジョロウグモ
※大きいのがメス、小さいのがオス
アオマツムシを捕食するジョロウグモ
アミガサハゴロモを捕食するコクサグモ
クモの糸にかかったオオカマキリ
オナガグモ
ワキグロサツマノミダマシ
巣の中のネコハグモ
ヒラタグモの巣と脱皮殻
夏の生きもの観察⑤草はらの昆虫(参加37名)
記録的猛暑が9月に入っても収まらず、暑さ覚悟の観察会でしたが、虫好きの子どもたちは元気そのもの。今回の観察会場は市野谷の森の西端にある、一本桜広場近くの原っぱです。途中の林縁で、綺麗な緑色をしたウスタビガの繭を発見したり、樹間で網にかかったアミガサハゴロモを食しているジョロウグモを見たり、黒くて奇妙な姿のイモムシ(セスジスズメというガの幼虫)を見つけたりしました。草はらに到着後、講師の川北先生によると、バッタなどの昆虫は草丈の違いによって棲み分けをしていそうなので、その点を頭に置いて観察することにしました。まずは芝生など、草丈の低い草むらから昆虫を探していきます。「あんまりいないなぁ」と言ってるうちに、大きなショウリョウバッタのメスが飛んだのをきっかけに、同オスも虫捕り網に入ります。立派なトノサマバッタも見つけました。次に、草丈40cmほどの草むらに入っていった子どもたちは、次々に虫を網に入れ、川北先生のところへ種類の確認に来ます。センチコガネを見つけた子が急いで確認に来ました。動物の糞などを食べるコガネムシの仲間で、金属光沢のある体は個体や地域によっても色が異なる美しい“糞虫(ふんちゅう)”です。一方、草丈が高いところでは、ハラビロカマキリやクモヘリカメムシ、シオカラトンボ、キタテハ、ヒメウラナミジャノメなど、いろいろな昆虫を観察することができました。樹液が出ているクヌギの根元ではコクワガタもいました。帰りに大カシのところで川北先生のまとめのお話を聞いて、11時頃に解散となりました。
川北先生からバッタ類の棲み分けの説明
草むらで昆虫探し
草むらで昆虫探し
大カシ前で川北先生によるまとめのお話
ウスタビガの繭
※中身は空です。
セスジスズメの幼虫
ショウリョウバッタ
ツチイナゴ
キタテハ
センチコガネ
シロヒトリ
ベニスズメ
夏の生きもの観察④ライトトラップ参加(5日:23名/19日:34名)
毎年大好評をいただいているライトトラップ。新型コロナウイルス感染拡大に伴って中止や延期が続いていましたが、今年は天候にも恵まれ、予定通りの日程で開催することが出来ました。7月のホタル観察会同様、こちらも多くの方々に楽しんでいただきたいと思い、初の2回開催となりました。今回も、おおたかの森センター前に集合した後、森へと移動し、森の中の広場に設置したブラックライト(紫外線を放射するライト)と白熱灯に集まる昆虫たちを観察しました。開始約30分前からライトの点灯を開始していたため、すでにいろいろな昆虫が集まっていましたが、両日とも特に目を引いたのは、「アオドウガネ」という緑色のコガネムシでした。分布域が北上傾向にあるとされており、市野谷の森でも、数年前からよく見られるようになっていましたが、今年は特に凄まじく、19日には200匹近い数がシートを埋め尽くしました。さらに「チャバネアオカメムシ」という緑色のカメムシが次いで多く、推定50匹以上が集まる結果となりました。(これはなぜか5日にはあまり見られませんでした。)
そのほか、子どもたちに大人気のカブトムシやコクワガタのほか、頭部に小さな角のあるコガネムシ「コカブト」、変わった名前のコガネムシ「ドウガネブイブイ」、体色がメタリックグリーンの「アカアシオオアオカミキリ」、表の後翅が美しいガ「キシタバ」と「コシロシタバ」、鮮やかな水色をした大きなガ「オオミズアオ」、見た目が折れた枯れ枝のようなガ「ツマキシャチホコ」、ギンヤンマ、などが見られました。ギンヤンマは水辺ではよく見られますが、森の中にまで現れたことにはとても驚きました。
ライトトラップの装置(8/5)
ライトトラップに集まった昆虫たち(8/5)
※多くがアオドウガネ
ライトトラップにきた昆虫たちを観察(8/5)
左から順に、アオドウガネ・コフキコガネ・ドウガネブイブイ(8/5)
コカブトのオス(8/5)
カブトムシのオス(8/19)
コクワガタのオス(8/19)
アカアシオオアオカミキリ(8/19)
チャバネアオカメムシ(8/19)
ヒグラシ(8/19)
キシタバ(8/5)
コシロシタバ(8/19)
ツマキシャチホコ(8/5)
オオミズアオ(8/19)
夏の生きもの観察③夜の森を舞うホタル参加(29日:29名/30日:35名)
昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、中止となってしまったホタル観察を今年は無事に開催することができました。今年は少しでも多くの方々に参加してもらいたい、という想いから、初めて2日間続けて実施しました。例年と同じく、19:00に初石公民館に集合し、観察会場となる西初石小鳥の森まで歩いて移動します。19:30くらいになると、森の中にある沼から小さな光がポツポツと現れ始めます。光ながら森の中を飛び回る個体(主にオス)、水辺の草の上でじっと光っている個体(主にメス)などがいて、“星空みたい!”と歓声があがります。2日間とも、月が明るく、風が少し強かったせいもあってか、個体数はやや少なめではありましたが、3~40匹ほどのヘイケボタルを観察することが出来ました。林内の通路沿いに設置されている杭のロープ部分では、羽化中のアブラゼミとヒグラシが見られました。殻から少しずつ体が出てくる様子は大人も子供も魅入ってしまいます。そのほか、ノコギリクワガタやコクワガタ、ヤブキリ、ハヤシノウマオイ(声)、オオゲジ、ニホンアカガエル、カラスウリの花など、夜ならではの生き物をいろいろ観察することができました。
19時に初石公民館前に集合(7/30)
西初石小鳥の森の入口でホタル観察の注意事項などを説明(7/30)
羽化真っ最中のヒグラシを観察(7/30)
草むらにいた昆虫やニホンアカガエルを観察(7/30)
ヘイケボタルの光(7/30)
ノコギリクワガタのオス(7/30)
羽化中のヒグラシ(7/29)
羽化直後のヒグラシ(7/29)
羽化前のアブラゼミの幼虫(7/30)
羽化直後のアブラゼミ(7/29)
夏の生きもの観察②セミたちの羽化(参加54名)
セミの羽化観察会はNPOさとやまとしては初めてです。まだ明るい18時30分にキッコーマンアリーナ前に集合し、案内役の小林理事から、セミについての説明がいろいろありました。あたりが少し暗くなってきた頃、SL広場を越えて運動公園の木立の中へ移動します。早速、子どもたちが地面の丸い穴から出てきたばかりのミンミンゼミの幼虫を見つけました。アブラゼミの幼虫と似ていますが、触覚の節の長さなどで見分けられます。小道の縁石につかまって羽化し、すでに翅が伸びているニイニイゼミを見つけた子が、みんなを呼びます。サクラの木に登り始めたアブラゼミの幼虫は、意外に速く登っていきます。(およそ10分間で1mくらい登りました。)。穴から出てきて、木にたどり着く前に息絶えそうなニイニイゼミの幼虫がいて、見ていた男の子が「あ~、せっかく出てきたのに頑張れ!」と励ましていました。別の木では、ニイニイゼミの幼虫が木の根元近くの低いところで羽化を始め、「頭が出てきたぁ!」と歓声が上がります!その木を囲むようにして、子どもたちがジッと羽化の過程を注視し、完全に羽化して翅が伸びきるまで1時間近く、ずーっと観察を続けていました。セミの羽化の始まりから終わりまでを観察したのは多分、初めてのことだったのでしょう、本当に熱心に観察していました。
キッコーマンアリーナ前に集合
セミの生態などについて説明をする理事の小林リーダー
羽化するセミをじっくり観察
穴から出てきたばかりのミンミンゼミの幼虫
穴から出てきて木に登るアブラゼミの幼虫
羽化が始まったアブラゼミ
ハリエンジュの葉の裏にアブラゼミの抜け殻が沢山!
ニイニイゼミの羽化
羽化直後のニイニイゼミ
羽化し終えたばかりのニイニイゼミの成虫
夏の生きもの観察①森の昆虫(参加55名)
6月早々の異例の台風が通り過ぎた後、この日は良いお天気に!手に虫捕り網を持った子どもたちが集まりました。講師は、おなじみ川北 裕之 先生で、この日のテーマは「昆虫の変態」。例えば、チョウの幼虫は何回も脱皮を重ねてサナギに変わり、最後に現れた成虫はそれまでとは、まったく異なった美しい姿をしています。昆虫の繁栄の秘密はこうした完全(不完全)変態にあるらしい、ということで、成虫だけでなく幼虫も合わせて観察しました。森の近くにある草木の茂みでは、ウラギンシジミを捕まえて観察。その後、アカスジカメムシ、ヨコヅナツチカメムシ、エサキモンキツノカメムシなどの色々なカメムシ、ヤブキリの終齢幼虫などが見つかり、川北先生が手に載せて皆に見せてくれました。林縁のエノキの葉の上では、外来種のアカボシゴマダラの幼虫が見つかりました。角があり、ナメクジのような面白い形状のイモムシです。エノキはいろいろな昆虫の食草になっていて、チビタマムシの一種も見つかりました。ナナフシ(幼虫)も木の葉の上で次々に見つかりました。ナナフシは不完全変態で幼虫と成虫の姿があまり変わらないため、幼虫でもナナフシだと分かります。さらに、1年のうち、この時期にしか現れないアカシジミなどを観察することもできました。そんなとき、幸運なことに、すぐ上空をオオタカが飛んで森へ入っていくのが見られました!この後、森の中の広場に行って観察を続け、オオヒラタシデムシやザトウムシの一種などを見つけたりしました。森の中での観察後、大カシ前で川北先生から"昆虫の変態"についてのお話などを聞いてから解散となりました。
市野谷の森の林縁で昆虫探し
捕まえた昆虫を観察
市野谷の森の中で昆虫探し
川北 先生と森の中の昆虫を観察
川北 先生の"昆虫の変態"についてのお話
アカスジカメムシ
アカボシゴマダラ(幼虫)
ヨコヅナツチカメムシ
エサキモンキツノカメムシ
ザトウムシの一種
知って楽しむ野鳥の声♪野鳥の鳴き声、その謎と魅力(参加60名)
キビタキやホトトギスなどの夏鳥が市野谷の森にやって来る季節。今年は野鳥の鳴き声をテーマに講座を開催しました。講師は、中学3年生のときに日本野鳥の会主催の「鳴きまねコンテスト」で日本一になったことがある、井の頭自然の会代表の鈴木 浩克 先生。講座の初めに早速「キョキョキョ」とヨタカの鳴き真似を披露。まさにヨタカの鳴き声そのもので、みんな聞き入りました。以前は声と姿が取り違えられていた、ブッポウソウとコノハズクの鳴き真似のとき、コノハズクの鳴き真似に小学生の女の子がすかさず正答して、参加者を驚かせました。この後、鳥の“さえずり”と“地鳴き”についての詳しい解説、人間の耳(脳)は聞こうとした音だけを聞きとる機能を持っていること、鳥の鳴き声をカタカナで書き表すことの難しさ、鳥の“聞きなし”(例:センダイムシクイという鳥の声は「焼酎一杯ぐぃー」と聞こえる)などについて、とても分かりやすい説明が続きました。約90分間の座学の後は、市野谷の森の林縁を歩きながら野鳥を観察しました。天候が悪く、観察できた種数は少なく残念でしたが、参加者が通り過ぎた後の電柱にイソヒヨドリのオスが飛来したり、ハクセキレイがイモムシを捕えるところが見られたりしました。森の中からはヤマガラの声、遠くの空からはヒバリのさえずりも聞かれました。
"知って楽しむ野鳥の声♪"(おおたかの森センター ホール)
鈴木 先生による野鳥の鳴き声講座
市野谷の森の林縁で野外観察
市野谷の森の林縁で野外観察
市野谷の森の林縁で解説をする鈴木 先生
電線に停まったイソヒヨドリのオス
イモムシ(ガの幼虫)を捕えたハクセキレイ
電線に停まるスズメ
春の樹木(参加24名)
おおたかの森センターの周りや市野谷の森の林縁部を歩いて春の樹木の観察をしました。講師は、元・茨城県自然博物館の主席学芸員で「樹木博士入門」などの著書もある、小幡和男 先生。子供3名を含む24名が参加されました。この時期は樹木の花が咲き、新葉が一斉に伸びだす季節です。2月の冬芽の観察会で観察した樹木たちはすっかり姿を変えていました。イロハモミジの雄花と両性花、雌雄異株のコクサギ、アオキ、サルトリイバラ、雌雄同株のイヌシデの雄花と雌花、ウワミズザクラとイヌザクラの違い、クヌギやコナラの垂れ下がった雄花と小さくて目立たない雌花、コブシの冬芽から葉が展開する様子など、多くの樹木を観察しました。アカメガシワの伸びだしたばかりの新葉は赤い毛が密生していてザラザラしていますが、セロハンテープを貼って引き剥がすと、赤い毛が剥がれて緑の葉が現れたので、子供たちもビックリです。アケビとミツバアケビは同じアケビ科のツル植物ですが、花や葉の形は随分と違います。草本も含め、全部で33種類の植物を観察しました。
ルーペの正しい使い方の説明
実物とイラストでサクラの花を詳しく解説
アベマキの葉を観察
コクサギの葉の付き方を教えていただきました
林縁でいろいろな樹木を観察
林縁でいろいろな樹木を観察
イロハモミジ(雄花)
ウワミズザクラ
コクサギ(雄花)
コクサギ(雌花)
サルトリイバラ(雄花)
サルトリイバラ(雌花)
クヌギ(雄花)
コナラ(雄花)
コブシの新葉
アカメガシワの新葉
アケビ
ミツバアケビ