さとやまで開催されたイベントの報告(2022年4月〜7月)です。2017年3月以前はこちら
夏の生き物観察②田んぼの生き物(参加36名)
流山市内で唯一、広い水田が残る新川耕地。田んぼの間の水路はコンクリートではなく昔ながらの土の水路で自然度が高く、淡水魚や淡水エビ、カエルなど、水生生物が育つ大切な場所となっています。子どもたちが網を手に、青々とした田んぼの水路へ。水路には小さなメダカ(ミナミメダカ)が群れをなして泳いでいます。「こんなにメダカがたくさんいる田んぼは他にあまりないよ」と講師の田中利勝さん。子どもたちは勇んで網を入れるのですが、最初はなかなかうまくいきません。何度かやっているうちに「入ったぁ!」の声。そのうちに、ギンブナやゲンゴロウブナ、コイ、モツゴ、ドジョウ、などの幼魚に加え、スジエビやヌマガエル、ヒメタニシなどが携帯水槽の中におさまっていきました。猛暑のため、生き物の採取は30分ほどできりあげて、クリーンセンターに戻り、みんなが採った水生生物の説明を田中さんから受けました。コイとフナを水槽に入れて「鱗の並び方や尾鰭の形などにも違いがあるから、よく観察してみよう」。また、「アメリカザリガニは外来種なので、飼った場合、放流するのはダメだよ」と、注意も促していました。「水生生物の子どもが育つ貴重な田んぼをこれからも守って欲しいです」と田中さん。最後に、採った生き物を水路へ放してから解散しました。
田んぼで生き物探し①
田んぼで生き物探し②
田んぼで生き物探し③
田んぼで生き物探し④
採取した生き物の説明をする田中利勝さん
採取した生き物の説明をする田中利勝さん
モツゴ(左)とギンブナ(右)
コイの幼魚(左)とモツゴ(右)
さとやま親子講座 親子で学ぶ生きもの多様性(第2回)
5月の野鳥の講座に引き続き、「どうして昆虫は種類が多いの?そのひみつをさぐる」のタイトルで親子講座を実施しました。講師はNPOさとやまの観察会では、おなじみの川北裕之 先生。昆虫には翅があって遠くまで移動できる、脱皮して幼虫とは違う形になる、たくさんの卵を産む、体が小さくて多くは1センチ以下など、昆虫の特徴から様々な場所に進出して仲間を増やして多くの種類が生まれた、と教えていただきました。さらに近年、昆虫の棲む場所を意図的に増やすため、公園などで草刈りを控えたり頻度を変えたりする取り組みについても紹介していただきました。後半は市野谷の森の林縁を歩き、ナナフシやヒナバッタ、アカスジキンカメムシ、ルリシジミ、カマキリの幼虫、などの昆虫たちを観察しました。特にナナフシは5、6匹も観察することができました。七不思議?
川北先生の室内講座
川北先生の室内講座
川北先生による見つけた昆虫の解説
川北先生による見つけた昆虫の解説
アリの巣を観察
市野谷の森の周りで生きもの観察
市野谷の森の周りで生きもの観察
ナナフシ
アカスジキンカメムシ
アカクビナガハムシ
夏の生き物観察①チョウとガ(参加35名)
コロナ感染予防で中止していた昆虫観察会を3年ぶりに実施。講師は、お馴染みの川北裕之 先生。今回のテーマは“チョウとガの違い”・・・といっても、実は難問です。モンシロチョウそっくりな白いガ、チョウのようなキレイな翅模様で昼間に飛ぶガ、ガの幼虫に見えるトゲトゲしたチョウの幼虫など・・・この日の観察で参加者はそれを実感しました。林縁ではクリの花が満開で、昆虫たちが集まっています。そこに、鼻が飛び出たような顔立ちが特徴のテングチョウを発見!隣の木では、キマダラセセリというセセリチョウによく似たものが葉にとまっていて「見たことないよ。チョウなの?ガなの?」と騒ぎに。触覚もチョウそっくり。じっくり調べた結果、トビイロトラガというガだと分かりました。森の中では、ガの幼虫(毛虫)のタケカレハ、ナナフシの幼虫、枯れ木の下にいたカブトムシの幼虫など、様々な昆虫を観察しました。「チョウとガは同じチョウ目に属し、日本では6000種ほどが知られていますが、そのうちチョウは約260種にすぎません。チョウ目のほとんどがガで、しかもまだ知られていないガが多いのです。」と川北先生。いろいろおもしろい観察会でした。
おおたかの森センター前に集合
林縁での観察
川北先生のチョウとガのお話
森で採取した昆虫をみんなで観察
アゲハ
テングチョウ
キタテハ
トビイロトラガ
タケカレハ(幼虫) ※毛に毒があります
カブトムシ(幼虫)
さとやま親子講座 親子で学ぶ生きもの多様性(第1回)
日本野鳥の会の安西英明さんを講師にお呼びして「命のさまざまとつながり」のタイトルで親子講座を実施しました。スズメやカラスやムクドリなどの身近な野鳥の子育てなどを中心に、野鳥などの生き物がどうやって後の世代に命を繋いでいるかというお話を子供にも分かりやすく解説していただきました。シジュウカラが1年に食べる虫の数は12万5千匹にもなるとか、スズメなどの小鳥が翌年まで生き残るのはたった1割とか、生きものたちが生きるための厳しさも教えてもらいました。後半は市野谷の森の林縁を歩き、メジロやヒバリのさえずりが聞こえ、子どもが親にエサをねだっているスズメの親子も見つけました。そのほか、アカシジミやルリシジミなどの昆虫も観察できました。
安西 先生の野鳥のお話
安西 先生の野鳥のお話
おおたかの森センター前で樹木を観察
市野谷の森の周りで生きもの観察
市野谷の森の周りで生きもの観察
アカシジミ
ルリシジミ
アカボシゴマダラ(春型)※外来種
春の野鳥(参加21名)
利根運河と東深井地区公園(古墳公園)で春の野鳥観察を実施しました。野鳥の渡り時期なので、夏鳥や冬鳥が同時に見られるバードウォッチングが楽しい季節ですが、あいにく、この日は肌寒く、どんよりとした曇り空でした。気候のせいか、確認できた野鳥の種類は少なめでしたが、シジュウカラやウグイス、ホオジロなど小鳥たちのさえずり、巣材用の泥を集めるツバメ、若葉の茂る木の中をちょこまか動き回るエナガ、利根運河では珍しいハヤブサ、鳴きながら水面を飛ぶカワセミ、などを見聞きすることができました。 そのほか、利根運河の法面の草地では、アゲハやモンシロチョウ、ヒメウラナミジャノメ、シジミチョウ類などの様々なチョウ、古墳公園では、キンランやギンラン、イヌザクラなどの春の花の観察を楽しむこともできました。 ※その他の確認鳥類: キジ、キジバト、コゲラ、ヤマガラ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、スズメ、コジュケイ、など、全22種類
運河駅でコースの説明をするリーダーの辻理事
利根運河での観察
古墳公園での観察
さえずるシジュウカラ
利根運河上空を飛ぶハヤブサ
アゲハ(春型)
ベニシジミ
ヒメウラナミジャノメ
キンラン
ギンラン
春の樹木と野草(参加27名)
天気予報に反して雨の中の観察会になりました。講師はNPO自然観察大学の飯島和子 先生。林縁の樹木を観察した後に一本桜広場で野草のロゼットを観察する予定でしたが、残念ながら雨が激しくなってきたため、半分ほど行ったところで終了となりました。それでも、ムクロジやウバメガシ、コクサギ、アオキ、ニワトコ、モミジイチゴなどの樹木やアマナ、スノーフレーク、ノビル、ウラシマソウ、スミレなどの野草を観察できました。ムクロジの実から作った笛の実演には子供たちも興味津々でした。ウラシマソウは花から伸びた、つるが釣り糸のようでびっくりです。最後は希望者だけで一本桜広場に満開のソメイヨシノを見に行きました。
ムクロジの実を観察
コクサギを観察
ウラシマソウの観察
アオキを観察
コクサギ(雌花と昨年の種子殻)
アマナ ※3月28日撮影
ウラシマソウ
スミレ
アオキ(雌花)
満開のソメイヨシノ(一本桜広場) ※4月2日撮影